重症化リスク
新型コロナウイルスの場合

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、①高齢者と②基礎疾患のある方、③新型コロナウイルスワクチンを未接種、あるいは接種回数が2回以下の方、④一部の妊娠後期の方です。

① 高齢者

60歳以上になると新型コロナウイルス感染の重症化リスクや死亡リスクが上がります。個人差はありますが、免疫力が低下するためです。しかし、新型コロウイルスのワクチン接種により、重症化率や死亡率が大きく低下することが示されています。

② 重症化のリスクとなる基礎疾患等は、
(パキロビッド)
  • 60歳以上
  • 喫煙者(過去30日以内の喫煙があり、かつ障害に100本以上の喫煙がある)
  • 免疫抑制疾患または免疫抑制罪の継続投与
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD):喘息は処方薬の連日投与を必要とする場合のみ
  • 慢性腎臓病
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 心血管疾患:心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作、心不全、ニトログリセリンが処方された狭心症、冠動脈バイパス術後、経皮的冠動脈形成術、頸動脈内膜は切り術亦は大動脈バイパス術の既往を有する
  • 肥満(BMI>25)
  • 神経発達障害(脳性麻痺、ダウン症候群)または医学的複雑性を付与するその他の疾患(遺伝性疾患、メタボリックシンドローム、重度の先天性異常等)
  • 限局性皮膚癌を除く活動性の癌
  • 医療技術への依存(SARS-Cob-2による感染症と無関係な持続陽圧呼吸療法等)等
があります。
(ラゲブリオ)
  • 61歳以上
  • 活動性の癌(免疫抑制または高い死亡率を伴わない癌はのぞく)  慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 慢性腎臓病
  • 肥満(BMI≧30)
  • 重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患または心筋症)  糖尿病
  • ダウン症
  • 脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)  コントロール不良のHIV感染症およびAIDS
  • 肝硬変等の重度の肝臓疾患
  • 臓器移植後、骨髄移植、幹細胞移植後など
(ゾコーバ)

基礎疾患がなくても用いることができる

③ ワクチン未接種、あるいは2回以下の人

様々な研究からワクチン未接種の方は接種した方より遙かに大きい重症化や死亡のリスクが高いことがわかっています。ワクチン未接種者は二価ワクチンを接種した人とくらべて、なんと、死亡率がほぼ15倍なのです。

このように、ワクチン接種を受けると、重症化の予防が期待できます。逆に言えば、ワクチン接種を受けないことは大きなリスクなのです。
しかしながら、「ワクチン接種回数2回以下」はパキロビッドの処方条件である「重症化因子」には含まれていないのです。

したがって、非常に残念なことながら60歳未満で上記の基礎疾患を持たない場合は、ワクチン未接種であってもパキロビッドの処方は受けられません

④ 一部の妊娠後期の方

高齢(35歳以上)、肥満(BMIで30以上)、喫煙、高血圧・糖尿病・喘息などの基礎疾患を持つ妊婦では重症化のリスクが高いことが報告されており注意が必要です。